療育やリハビリで頑張っている本人とご家族へ。『ノーマライゼーション』を知っていますか。

2021年12月31日

 突然ですが、発達障害が「すべての人」の仲間入りができていないと思いませんか。

どちらかと言うとやっかい者扱いが多いです。

障害を抱えていると認識されずらいために

・発達障害をかかえている本人が卑屈になる

・本人の親や配偶者が周囲から理解されずに孤立する(カサンドラ症候群

そんな経験をした方って多いですよね。たぶん。

今回は困ったことがある方へ、今後発展しそうで知っておいて損は無いかなと思った理念と、

今後活動がもっと発展するといいなと思う世の中の動きを書いてみました。

ノーマライゼーションとは

 ノーマライゼーションと言われる考え方を紹介します。

1950年代にヨーロッパで生まれた考え方で、

誰もが差別や偏見なく、普通の暮らしを送る社会を目指す理念です。

あまり聞きなれないけど、かなり身近な考え方なんです。看護や介護の世界では有名な言葉だそうですよ。

リハビリと比較したら分かりやすかも。

リハビリテーションは困難を抱えている方が努力して社会に近づく。

ノーマライゼーションは困難を抱える社会が人間に近づく。

例えば、バリアフリーって言葉が有名ですよね。

バリアフリーはノーマライゼーションの考え方を社会に取り入れた具体的な方法です。

条例にもなってる

 実は、さいたま市では「さいたま市誰もが共に暮らすための障害者の権利の擁護等に関する条例」

通称『ノーマライゼーション条例』が2011年に制定されています。

 その理念の中で

障害を社会福祉の問題として扱うのではなく、人権の問題とし、社会の障壁と偏見が障害を生み出しているという発想の転換を促しています。

さいたま市ホームページ

と明言されています。

人としての権利が妨げられることが起こった場合の相談窓口や対応方法、解決へ向けての動きが

理念から15条に渡って具体的な方法でしくみが条文化されています。

8つの原則がある

ノーマライゼーションは理念ですが具体的に8つの原則が示されています。

①1日のノーマルなリズム
②1週間のノーマルなリズム
③1年のノーマルなリズム
④ライフサイクルにおけるノーマルなリズム
⑤ノーマルなニーズの尊重
⑥異性と暮らす生活
⑦ノーマルな経済水準の尊重
⑧ノーマルな環境基準

ちょっと分かりずらいので詩的に表現している本を紹介

ノーマライゼーションとは、当たり前の成長の過程をたどること
子どものころは夏のキャンプに行く
青年期にはおしゃれや、髪型、音楽、異性の友達に興味をもつ
大人になると、人生は仕事や責任でいっぱい
老年期にはなつかしい思い出と、経験から生まれた知恵にあふれる

ノーマライゼーションとは、自由と希望を持ち、
まわりの人もそれを認め、尊重してくれること
大人は、好きな所に住み、自分にあった仕事を自分で決める
家にいてただテレビをみていないで、友達とボーリングに行く

ノーマライセーションとは、男性、女性どちらもいる世界に住むこと
子供も大人も、異性とのよい関係を育む
十代になると、異性との交際に興味をもつ
そして大人になると、恋におち、結婚しようと思う

ロバート・バースキー、マーサ・バースキー著、渡辺勧持監修
「やさしい隣人ー共に暮らす地域の温かさ」

8項目全部について書かれているのですが、ここでは3項目を抜粋して紹介。

パパが説明するよりとても分かりやすいと思います。

ノーマライゼーションの問題点

 ここで間違えてしまいそうになるのは、

「ノーマライゼーションなのだから、障害に対して特別な教育や設備は差別だ」と

勘違いして全員に同じ設備で同じ教育をしてしまうことでしょうね。

ただそうすると難しいのは、個人差や個別性にどこまで対応させるのか。

一人ひとり違うニーズにどこまで対応したらいいのか。が難しいですよね。

娘が通う通級の先生が

「本当は1対1で指導できたらいいのですけど。今は生徒2人に先生1人が精いっぱいです」

とおっしゃっていましたよ。

バリアフリーの次がすでに存在している

 ところで「バリアフリー」は有名な言葉ですけど建築用語です。

今は「物理的バリア」「制度のバリア」「情報のバリア」「意識のバリア」の4つがあります。

ただこれって、そもそもバリアがあるから取り除く必要があるわけで、

「すべての人」が対象となっていないからフリーにする必要があるのですよね。

 そこで考え出されたのがユニバーサルデザインです。

年齢や障害などにかかわらず、最初からできるだけ多くの方が利用できるようにするデザインです。

例えば、自動ドアって、ドアの前に行けたら開くドアなのでユニバーサルデザインと言えるんですよ。

 さらに教育の場でも、一人ひとりのニーズに合った支援をおこなうインクルーシブ教育が始まっています。

娘の場合、1クラス20人程度の普通学校の中に「支援級」や「通級」があり、

適宜必要な支援を受けていますよ。

知った後にできる事

パパはブログで発信してみました。読んだ方は雑談のネタにするとかいかがでしょう。

発達障害は別に特別なことではないので、

「SDGs」が流行っているうちに「多様性」の仲間に入れてくださいな。

ADHD,ASD+LD

Posted by パパ